さぁ、いよいよ5月31日は富士見パノラマでDHレースが開催されます。
MTBを走りに富士見パノラマへは行った事あるけど、レースは観戦した事が無いという方に向け、本日はすこし観戦のポイントをご紹介します。
みなさんが想像しているよりも、ずっと速くて迫力満点のレース。ぜひライブで観戦しましょう!
■ライン取りを見て楽しもう
マウンテンバイクレースの見どころの一つに、ライダーによって異なる“ライン取り”があります。前回のレース 箱館山 後半シングルトラックでの写真を元にご紹介しますね。
こちらは試走時の写真ですが、根っこが張り巡らされた斜度の大きな左コーナーには、大きく分けて3つのラインがあります。
☆1つはオーソドックな外側(写真左側)を走るライン。↓
写真は今期よりエリートに昇格し、いきなり決勝進出を果たした静岡出身 福岡在住の兼岡選手の試走時。
アウト側をトレースすればスピードを保ったまま進入できますが、途中に大きな切り株があり、クランクやリアローターがヒットするリスクがあります。
☆2つめは、最初はイン側のラインを走り、途中から真ん中へと抜けるライン。↓
写真は九島勇気選手の試走時。
スミマセン。最後の写真だけ九島賛汰選手の写真です。
こちらのラインは井本はじめ選手や九島選手などNinja TVライダー達が走っていました。この走行ラインは途中で進路を変更する難しさと、最後のコーナー出口に斜めに張り出た根っこがあるため、そこでバランスを崩す恐れがあります。
☆そして3つめは、イン側を常にトレースするライン。↓
写真は箱館山で予選3位、決勝4位だった青木選手の試走時。イン側は前日の雨による水の流れ道にもなっており、根による段差も大きいのですが、コーナー出口に根っこの溝ががあり、ここをバンクに見立ててうまく車輪をグリップさせれば、コーナー出口のスピードもUPできるラインです。しかし、ギャップの落差も大きいため卓越したボディバランスを持ったライダーでなければ失速してしまう可能性もあります。
このように、1つのコーナーだけでもラインが複数あり、選手によって選択が異なるのです。どのラインが最速だったんだろう? と興味は尽きません。

ちなみに箱館山で優勝した清水一輝選手は、アウト側の一番はしをトレースしていました。その後のコンパネジャンプでは片手を上げて声援に応え、余裕で優勝を勝ち取ったのはご存知の通りです。
次の富士見パノラマでは、Aダッシュと呼ばれるロックセクションが定番の観戦ポイントになると思います。切り立つ岩をどんなラインで、どんなライドで切り抜けるかが楽しみです。
■タイヤ選択について
DHレースを走る選手達は、路面とのコンタクトで重要なタイヤ選びにも慎重です。
今週末の天候は晴れの予報ですので、ドライコンディションでどのタイヤが良いのか? これも見どころです。
ドライからセミウエットコンディションまでマルチパーパースに活躍すると評判の「シュワルベ マジックマリー」を履く選手が多いのか?
それとも同じようなパターンながら比較的サイドノブの剛性が高いと言われる 「マキシス ショーティー」か?
いやいやドライだったら転がりを考えて「マキシス ミニオンR2」なのか? いや、完全ドライだったら転がり速度を考えて「マキシス ハイローラー2」だったりするのか? 前後でのタイヤの履き替えはどうか?
MTBのダウンヒル競技は、こういったタイヤ選択や機材のチョイスによっても結果が大きく異るのも、見どころの一つと言えますね。
トップ選手たちのタイヤ選びを見るだけでも、自身のタイヤ選択に有益な情報になること間違いなしです。
■DH スポーツクラスの見どころは?
今シーズンはスポーツクラスに、かつてのトップライダー達がエントリーしています。往年のトップライダーの誰が勝つのか?それとも箱館山では惜しくも4位だった超若手ライダー 井岡 計太選手が大人を打ち負かすのか?
初戦の箱館山では前走者への追い付きという不可抗力が発生しましたが、第二戦の富士見では初戦の結果を元にスタートします。まさにガチ勝負。楽しみです。
■エキスパートクラスの見どころは?

エキスパートクラスでも若い有力選手たちの戦いに注目です。箱館山で2位に5.2秒もの差を付けてのゴールした愛知県の泉野 龍雅選手が注目ですが、井岡 佑介選手の成長も目を見張るものがあります。
エリート決勝並みのタイムが期待されるエキスパートクラスのレースも目を離せませんね。
■エリートクラス勝者の行方は?
富士見戦では、清水一輝選手がチームサラセン合流の為に渡英、永田隼也選手もエンデューロ-WC参戦の為に欠場。となると面白くなるのが優勝争いです。

表彰台へ安定して昇っている九島勇気選手が勝つのか?

天賦の才能で、キレキレの走りを魅せる九島賛汰選手が爆発するか?

新たにTransition TR500へと乗り換えた井本はじめ選手が来るのか?

それとも遂に若手の加藤選手がヤバイ走りをするのか?

ベテランの強みで井手川選手が勝利をもぎ取るのか?

TEAM GIANTの若手、浅野選手が安定した強さで前に出るのか?

それとも同じくTEAM GIANTの先輩選手 青木卓也選手が、昨年の不調を払拭して勝利するのか?
ちなみに、青木選手は前戦 箱館山のシングルトラックにて、「パーン!」という激しい衝突音と共に木にぶつかりストップするも、決勝4位のリザルトを残しています。オフシーズンからボディーアーキテクトでのコンディショニングとトレーニングを重ねた青木選手の復活にも期待できますね。
少し前のF1レッドブルチームで言うベッテルとウェーバーのような確執は無いとは思いますが、同じTEAM GIANT内での争いもレースを楽しんで見るための要素になるかも知れませんね。
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という訳で第2戦は5月31日(土曜)に長野県の富士見パラマリゾートで行われます。これまでレースに足を運ばれた事の無いかたも、Cコースのライドとあわ せて是非レース観戦してみませんか? トップライダー達の驚異的な走りは、写真や動画じゃ絶対伝わらないほどの迫力です。ぜひライブで、ぜひ一緒に興奮を味わいましょう!